【プチ遭難】雪の会津駒ヶ岳を登山していたときにプチ遭難した体験談
どーも。
ぶたぶたぶろぐのぶたちゃんです。
登山をする者として『遭難とは無縁』ということはありません。
この記事ではわたしが雪の会津駒ヶ岳を登山していたときにプチ遭難した体験を書きたいと思います。
これを読んで少しでもみなさんの役に立てたら幸いです。
雪山をなめてはいけない
わたしが会津駒ヶ岳を登山したのは2017年の5月下旬。
登山口に雪はないものの、登り始めて30分ほどで雪が出てくるような時期。
以降は雪山で山頂は一面真っ白な頃でした。
会津駒ヶ岳は行程の3分の1ほどが樹林帯で似たり寄ったりな風景が続きました。
夏山だったらきっと登山道は明確だと思いますが雪山となるとそうはいかないところが怖いです。
雪の上のありとあらゆるところに足跡があり、どれが正しいルートなのか先をみて判断したり、ピンクの目印を頼りにして行動しなければなりません。
夏山だと初心者向けの山でも、雪山になると一気に難易度があがる場合もあります。
遭難を防ぐために情報と知識をいれておく
会津駒ヶ岳に登るのはその日がはじめてでした。
本当だったらぶたくんと一緒に登る予定でしたが日程が合わず、わたしは一人で登ることにしました。
わたしの登山歴は約6年。
登った山は80座ほど。
基本的に2人で登山をしていましたが2年ほど前から単独登山もするようになりました。
わたしは旅行や物事を行う上で計画をしっかり立てる性格です。
2人で登山をするときも行動計画や情報収集をするのがわたしの役割でした。
役割というよりもわたし的に当たり前のことだったので率先してやっていました。
会津駒ヶ岳を登ろうと決めたときも
●はじめて登る山であること。
●単独であること。
●雪山であること。
これらのこともあり情報収集は念入りにしました。
会津駒ヶ岳について調べていると駒の小屋のHPだったか(忘れてしまいました)、登山道の情報を載せたサイトがありました。
そこには親切に雪のコンディションだったり、最近の状況が掲載されていました。
最近の状況として下山時の間違ったトレースについて注意喚起がされていました。
【間違ったトレースがついているので辿って行かないように】
写真付きで載せられていました。
その下部には、もし遭難してしまったときの対処法が書いてありました。
●落ち着くこと
●間違えたと思ったらむやみに動かないこと。
●下ってはいけないこと。
●来た道がわかるなら速やかに引き返すこと。
●救助を要請すること。
正確に覚えているわけではないのですがこれらのようなことが書かれていました。
わたしは間違ったトレースと一緒に遭難時の対処法も頭に入れておきました。
プチ遭難してしまった
会津駒ヶ岳登山当日。
天気もとても良く無事に登頂してサクサク下山していました。
雪山の下山はアイゼンを付けていると安心して下れるので早めのペースで下っていました。
もちろんピンクリボンの目印やトレースを確認しながらです。
登りのときに感じていたのですが雪のあちこちに足跡があるのです。
なるべくたくさんの人が通ったであろう濃いめの足跡を辿っていたのですが、それでも思わぬ場所にたどりついた経験を登りのときにしていました。
絶対にこのトレースだ!と思えることがないときが多く、たまに立ち止まり先を見て考えながら登っていました。
軽快に下っていたため道の判断は早めにしなければなりません。
それでもやはり濃いめの足跡を辿りながら先をみて、目印を確認して、と気を抜いていたわけではなかったのです。
そのときは突然やってきました。
ふと、次の辿るべき足跡がわからなくなりました。
足跡は少し先まであるのですが明らかに踏まれた数が少ない気がしました。
わたしは立ち止まり次に辿るべき足跡を探しました。
真っ白い一面の雪に木々が点々と立っている。
遠く先の木々を見てもピンクの目印は見当たらない。
明瞭な足跡もない。
なんなら逆向きの足跡まである。
わたしは思いました。
道を間違えてしまったようだ。と。
来た道を戻ろうと後ろを振り返る。
しかしたくさんの足跡がありどの足跡を辿ってきたかがわからない。
周りをもう一度見回すと、同じような景色がどこまでも続いている。
心臓がドキドキと大きく鳴り始めました。
わたしはプチ遭難したんだと確信しました。
(プチと言っていいのかわからないけれど)
体に一気に緊張が走ったのを覚えています。
どうしよう。
静寂の雪の樹林帯でひとりきり。
登山道に戻れなかったらどうしよう。
孤独と不安が襲ってきました。
まずわたしがしたことは『落ち着く』こと。
自分がプチ遭難したのだということを受け止めて深呼吸しました。
何をするべきかを冷静に考えるためにすぐ動くことをやめました。
次にわたしがしたことは『考える』こと。
心が落ち着き冷静になってきたのでこれからどうするか考えることにしました。
事前に確認した情報を思い出してわたしは来た道を戻ることにしました。
もし戻ってもわからなかったら大声で助けを呼ぶことにしました。
それでも誰も来ないようだったら持っているホイッスルを吹くことにしました。
それでも誰も来ないようだったら救助要請の電話をすることにしました。
次にわたしがしたことは『来た道を戻る』ことです。
それらしき足跡を辿り戻ってみました。
あんなに軽快に下っていたのにいざ登り返すと体力がかなり消耗していたことに気づきました。
それでも登山ルートに戻りたくてもくもくと登りました。
来た道を戻っていると道がそこそこ明確な場所まで来ました。
もしかしてと思って辺りを見渡すと下山するルートがわたしが戻ってきた道の他にあることがわかりました。
そう、まさにここが事前に情報収集で見たサイトに載っていた間違ったルートとして掲載されていた写真の場所でした。
それがわかった瞬間本当に本当に安堵したのを覚えています。
それから正しいルートを下っていくとピンクの目印が目に入り遭難から戻れたことを確信しました。
遭難は隣り合わせ
登山をする者にとって『遭難は隣り合わせ』なのだと思いました。
トレースもあり間違っていないと信じた道が違うということがあるのです。
どんなに気を付けていても100%防げることではありません。
なのでもし遭難してしまったときに冷静に対処できるように少しでも知識をつけておくこと。
そして自分が登る山の情報をできるだけ多く収集しておくことが大切だと思いました。
今回この2つを実践していたことで冷静に対処することができました。
それに加えて日ごろからホイッスルを装備しておいたり、登山届を提出していたり、家族や身近な人に登山計画を伝えておくことが大切だということも再認識しました。
どこか他人事だと思っていた遭難。
実際自分がその状況に立ったときの心臓の音が忘れられません。
登山を愛するみなさんも他人事だとは思わず安心安全の登山を心掛けてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでもこの情報が役に立てたら幸いです。
ぶたぶたぶた…♡